警察が都合いいように作り上げた冤罪..松橋事件の全貌
1985年1月8日、熊本県松橋町(現・宇城市)で男性が遺体で見つかり、知人の宮田浩喜さんが逮捕され、懲役13年の刑が確定した事件。2016年に熊本地裁が再審開始を決め、2018年10月に最高裁で確定した。検察側は有罪立証しない方針で、殺人罪は無罪となる見通し。
●松橋事件
1985年1月8日、熊本県松橋町(現・宇城市)で男性が遺体で見つかり、知人の宮田浩喜さんが逮捕され、懲役13年の刑が確定した事件。
出典 松橋事件とは - コトバンク
・将棋仲間だったから犯人とされた宮田さん
1985年1月8日、熊本県松橋町(現・宇城市)で、男性が自宅で、首などを刃物のようなもので刺された姿で発見された。
出典 松橋事件 - 日本国民救援会
推定死亡時期は1月4日から6日の間とされ、警察は5日の夜、被害者の自宅で飲食を共にした知人らのうち、この時、被害者と口論した将棋仲間だった宮田浩喜さん(当時51歳)に当たりをつけた。
出典 松橋事件 - 日本国民救援会
・警察が誘導した「自白」
出典 www.aflo.com
宮田さんの自宅周辺は警察官が常に監視し、8日から20日までの13日間中9日間、宮田さんが断った日も自宅に押しかけ、長時間の厳しい「任意」取調べがおこなわれた。
出典 松橋事件 - 日本国民救援会
宮田さんは否認し続けたものの「うそ発見器で陽性反応が出た」と告げられ、「自白」してしまったという。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
長時間の過酷な取り調べで疲弊させ、精神的に追い詰める。行き過ぎた自白偏重捜査の典型と言えよう。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
・自白だけが殺人犯という証拠に
宮田さんと犯人とを直接結びつける証拠は「自白」のみで、物的証拠もなく、目撃者など第三者の供述もなかった。
出典 松橋事件 - 日本国民救援会
「凶器」とされている切出し小刀も、被害者の血痕等は全く検出されなかった。この矛盾を解消するため、犯行後にボロ切れは焼却し、切出し小刀は研いだと、検察は宮田さんの「自白」を変遷させた。
出典 松橋事件 - 日本国民救援会
物証はほぼなく、この自白が唯一の証拠となった。宮田さんは一審で全面否認に転じ、必死に無実を訴えたが、聞き入れられなかった。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
90年に最高裁で懲役13年が確定、99年の仮出所まで服役した。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
●揺らいだ「自白」
自白の信頼性が揺らいだのは、判決確定から7年も後だった。再審請求に際し、弁護団が検察に開示を求めた証拠の中から、あるはずのないシャツ片が見つかったのだ。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
自白では「シャツから左袖を切って、凶器の小刀に巻き、犯行後に燃やした」とされていた。その左袖である。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
・再審開始が認められる
弁護団は、小刀と傷の形状が一致しないとする法医学者の鑑定書も加え、2012年に再審を請求。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
2016年に熊本地裁が再審開始を決め、2018年10月に最高裁で確定した。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
検察側は有罪立証しない方針で、殺人罪は無罪となる見通し。
出典 松橋事件とは - コトバンク
・時間がかかりすぎた無罪への道
高齢の宮田さんは、認知症で寝たきりの状態になっているという。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
「生きているうちに無罪を」との願いはかないそうだが、再審請求から約7年、地裁の再審開始決定からでも2年半以上になる。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
明らかな新証拠が見つかったのに、検察が有罪立証に固執し、抗告を重ねたためだ。
出典 【社説】松橋事件無罪へ 冤罪を防ぐ法整備急げ|社説|徳島新聞
●真犯人は一体誰..?
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