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「腹の中に悪霊がいる」..デタラメ祈祷師が起こした栃木糖尿病男児死亡事件

2015年4月、重度の糖尿病を患っていた男児(当時7)の両親に対し、インスリンを投与しないよう指示し、死亡させた事件。祈祷師を名乗る近藤弘治は、「腹の中に悪霊がいる。インスリンでは治らない」として、男児を死亡させた。


●栃木糖尿病男児死亡事件


2015年4月、重度の糖尿病を患っていた男児(当時7)の両親に対し、インスリンを投与しないよう指示し、死亡させた事件。
出典 糖尿病男児死亡、二審も懲役14年6か月の判決 - 野良猫岡山の糖尿病・奮闘記




・重い糖尿病を患った男児



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男児は2014年11月、根治の望めない重い糖尿病を発症し、両親がわらにもすがる思いで助けを求めたのが、近藤だった。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


県内の病院で下された病名は、「1型糖尿病」。膵臓の細胞が破壊され、インスリンの分泌が止まる難病である。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


1日3回のインスリン投与が生涯欠かせず、もし怠れば血糖値が上がり続け、頻脈、嘔吐、心不全の症状が表れて死に至る。幼い男児にとって、生命線となるインスリン注射はなによりも苦痛だった。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


現在の医学では、1型糖尿病は完治しないといわれる。対症療法しかないなか、注射のたびに痛みに耐えられず泣き叫ぶわが子を見て、両親は追い詰められていったという。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


・腹の中に悪霊がいる。インスリンでは治らない



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近藤容疑者が男児の母親の勤務先を訪れたのは、その矢先のことだった。「龍神による心霊治療」と書かれた名刺を母親に渡した近藤は、「不治の病も治せる」と語った。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


「腹の中に悪霊がいる。インスリンでは治らない」
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


彼はインスリン投与を無理矢理やめさせた。以後、およそ治療とは呼べない儀式が始まった。男児の体の周囲に何本ものろうそくを立て、「悪霊退散!」と念仏を唱え続けた。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


山から汲んできたという「龍神水」を飲ませ、栄養をつけるという名目で大量のハンバーガーを食べさせた。注射器や血糖値の計測器は銀紙に包んで物置にしまうよう指示した。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


・信じ切った両親は多額の金を使い込む



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彼は1回の治療ごとに「龍神へのお布施」と言って3万1000円を徴収していた。両親が払った総額は200万円以上にもなるという。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


市販の塩を「龍神塩」と偽り、高額で売りつけることもあった。
出典 【7歳男児死亡】自称祈祷師が「俺は平清盛の末裔だぞ!」と絶叫 → 1分で退廷 殺人罪が適用されない可能性も?




・治療を止められた男児は衰弱死



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当然だが、近藤の祈祷治療で男児が回復することはなかった。体調が悪化した男児は県内の病院に緊急入院。インスリン投与を受けて容体が安定、1ヶ月後に退院した。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


男児の容体は再び悪化し、2015年4月26日、意識不明になり病院に緊急搬送。翌日、院内で衰弱死した。
出典 糖尿病男児死亡 逮捕の祈祷師、大量ハンバーガー食べさせる│NEWSポストセブン


●法廷での呆れた発言



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入廷するなり大きなボストンバッグから大量の資料を取り出して証言台に置いた被告人は、「この裁判が始まる前に言いたいことがある!この資料が証拠だ。ここに真実が全てある!」と一方的に声を荒らげた。
出典 【仕事】入廷から2分で退廷。近藤弘治被告人初公判傍聴記。 - 榎本よしたか雑記帳


静かにするよう制止する裁判長に反抗して喋り続けた結果、退廷を命じられる被告人。なんと入廷からわずか2分。
出典 【仕事】入廷から2分で退廷。近藤弘治被告人初公判傍聴記。 - 榎本よしたか雑記帳


連行される同被告はなおも「八百長裁判長!」と連呼し「俺は太政大臣平清盛の末裔だぞ!」と叫びながら法廷を後にした。
出典 【7歳男児死亡】自称祈祷師が「俺は平清盛の末裔だぞ!」と絶叫 → 1分で退廷 殺人罪が適用されない可能性も?




検察側は「インスリンを投与しなければ被害者が死亡する危険性を認識していた。助けるには被告の指示を従うしかないと、両親に思わせていた」と指摘。
出典 【7歳男児死亡】自称祈祷師が「俺は平清盛の末裔だぞ!」と絶叫 → 1分で退廷 殺人罪が適用されない可能性も?


弁護側は「近藤被告は治療が正しいと信じていた」と殺意を否認した上で「インスリン投与をやめることを両親に強く勧めたわけではない」と述べた。
出典 【7歳男児死亡】自称祈祷師が「俺は平清盛の末裔だぞ!」と絶叫 → 1分で退廷 殺人罪が適用されない可能性も?


・懲役14年6月の判決



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佐藤基裁判長は「被告は主導的な立場にあり、犯行態様は残酷で悪質性は高い」などとして、懲役14年6月(求刑懲役15年)を言い渡した。
出典 重要判決>自称祈祷師に懲役14年6月=薬不投与で糖尿病児死亡―宇都宮地裁


今回の判決は、1型糖尿病について、「体内でインスリンがほとんど生成されないので、外部からインスリンを取らなければ生きていけないことが、認められる」とはっきりと認め、教祖的立場の人物に、殺人罪の適用を認めた。
出典 重要判決>自称祈祷師に懲役14年6月=薬不投与で糖尿病児死亡―宇都宮地裁


2018年4月、東京高裁で開かれた第二審では、一審判決を支持し、被告の控訴を棄却した。
出典 高裁、被告の控訴棄却 宇都宮糖尿病男児衰弱死 一審支持、未必の故意認定|県内主要,社会|下野新聞「SOON」ニュース|下野新聞 SOON(スーン)


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