「殺したい相手を間違えた..!」人違いバラバラ殺人事件
1954年(昭和29年)に埼玉県で発生した殺人事件。優しくされて好かれてると勘違いした古屋栄雄は、一方的に思いを寄せた相手を殺害することを決意。
●人違いバラバラ殺人事件
1954年(昭和29年)に埼玉県で発生した殺人事件。
出典 人違いバラバラ殺人事件 - Wikipedia
・一方的な想い
古屋栄雄は、1929年、山梨県東山梨郡塩山町で生まれた。
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7歳下のB子さんという女性と知り合って夢中になったのは、1949年のこと。地元山梨のダンスホールで彼女と出会った古屋は、すぐにのぼせ上がった。
出典 閲覧注意…男女の歪んだ「愛の行為」が招く、まさかの悲劇(長江 俊和) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
彼女は美人で、優しかった。古屋は自らの両親を説得し、彼女の両親に結婚を前提とした交際を申し込むが、拒絶される。
出典 断片の昭和史(12)人違いバラバラ殺人事件 - 文徒アーカイブス
「定職がなければ認めるわけにはいかない」確かに地元での古屋の評判は前科者でありワルであった。
出典 断片の昭和史(12)人違いバラバラ殺人事件 - 文徒アーカイブス
上京して何とか職についてB子さんの気を引こうとしたが、長続きはしなかった。増えたのは窃盗の前科だけである。
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・ストーカーまがいの行為
1年後の1953年7月に再びB子の両親の前に現れたが、そのような状況では古屋の申し出を許すはずも無かった。
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そのためB子の両親は結婚は無理だと断り、B子を埼玉県に住む姉のもとに避難させた。またB子も古屋に対してうんざりしていた。
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しかし、B子さんがすでに誰かと結婚しているのを隠しているのではないか、と邪推した古屋は、54年9月1日、町を出てB子さん探しの旅に出た。古屋の行動は、今で言うなら紛れもなくストーカーである。
出典 人違いバラバラ殺人事件
・B子に復讐
1954年9月、古屋栄雄は映画館を辞め、彼女を探し出す決意を固める。彼女は埼玉県内にいるはずだ。
出典 断片の昭和史(12)人違いバラバラ殺人事件 - 文徒アーカイブス
9月5日夜9時ごろ、埼玉県入間市の路上を歩いていた古屋は、前方にB子さんらしき女性を見つけた。
出典 人違いバラバラ殺人事件
・俺はな、お前を呪ってるんだ。覚悟しろ!
体つき、歩き方、服装・・・どれをとっても間違いなく思えた。こんなところに嫁に来ていたのか、ひどい奴だ、と憤慨した古屋は、
出典 人違いバラバラ殺人事件
「俺はな、お前を呪ってるんだ。覚悟しろ!」と叫んで、いきなり女性の首を絞めて畑に引きずりこみ、手拭を首に巻きつけ殺害。
出典 人違いバラバラ殺人事件
ナイフで乳房と陰部を切り取ってから遺棄した。
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●「殺したい相手を間違えた」・・・
翌日、古屋はとんでもない間違いを犯していたことに気がついた。事件を報じた新聞記事を見ると、被害者の名前がB子ではなく別人なのである。
出典 閲覧注意…男女の歪んだ「愛の行為」が招く、まさかの悲劇(長江 俊和) | 現代ビジネス | 講談社(2/3)
古屋が殺害した女性は、B子ではなかった。近くの農家の娘で、たまたまそこを通りかかっただけの、古屋とは縁もゆかりもない女性だったのである。
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彼は別人をB子と思い込んで、殺害してバラバラにしたのだ。
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そうしたことが判っても、古屋に反省の態度は見られなかった。11月18日に逮捕されたが、「殺しはB子さんを愛するが故にやったことだ」と主張した。
出典 人違いバラバラ殺人事件
一審では無期懲役の判決が下され、古屋は判決を不服として控訴した。
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・迷惑も甚だしい。私とは全くかかわりありません
控訴審が開かれ、B子が証言台に現れた。被告人席から、彼女の姿をじっと見つめる古屋。恋い焦がれ、ずっと追い求めていた女性が今、目の前にいる。皮肉にも彼の願望は、法廷で達成されたのだ。
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だが彼女は、裁判官に向かって、きっぱりと言い放った。「古屋が自分を恋人だと思っているが、迷惑も甚だしい。私とは全くかかわりありません」
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・法廷でB子に暴行
被告席にいた古屋が、おもむろに立ち上がり、隠し持っていた竹べらを、B子の右胸に突き立てたのだ。竹べらは、右胸深さ一センチのところで折れて、幸い、B子の命には別状はなかった。
出典 閲覧注意…男女の歪んだ「愛の行為」が招く、まさかの悲劇(長江 俊和) | 現代ビジネス | 講談社(2/3)
その後、一審の無期懲役は破棄され、古屋に死刑判決が下された。
出典 閲覧注意…男女の歪んだ「愛の行為」が招く、まさかの悲劇(長江 俊和) | 現代ビジネス | 講談社(2/3)
・いかに素晴らしい女性か、死ぬまで語った
古屋は収監中も同囚の者や看守に「愛するが故にしたことだ」などと周囲の者が辟易するのもお構いなく自慢げに繰り返し話していた。
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また自分が死刑囚の立場に追いやられ憎いはずのB子について、いかに素晴らしい女性であったかを語っていたという。
出典 人違いバラバラ殺人事件 - Wikipedia
1959年5月27日、宮城刑務所で古屋栄雄の死刑が執行された。34歳だった。
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