恩赦を期待した結果、死刑になった暴力団夫婦..夕張保険金殺人事件の全貌
1984年（昭和59年）に北海道夕張市鹿島（大夕張）で発生した、火災保険および生命保険の保険金詐取を目的とした放火殺人事件。保険金目当てで、共犯の暴力団員に自社の寮の放火を指示。死者6名。97年8/1、執行。安政、54歳没。信子、51歳没。
●夕張保険金殺人事件
1984年（昭和59年）に北海道夕張市鹿島（大夕張）で発生した、火災保険および生命保険の保険金詐取を目的とした放火殺人事件。
出典 夕張保険金殺人事件 - Wikipedia
・暴力団の夫婦が経営する会社
暴力団日高組の組長日高安政とその妻信子は、夕張炭鉱への労働者派遣を請け負う下請け会社を経営していた。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
1981年の北炭夕張新炭鉱ガス突出事故の発生により、派遣従業員の半数を失うも、多額の保険金を受け取った。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
夫妻はこの大金を自宅の新築や豪遊などであっという間に浪費してしまったという。しかし、事故により夕張の炭鉱業は一気に衰退、夫妻は一転困窮した。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
・火事を偽装して保険金を奪う事を計画
以前の事故で味をしめた2人は保険金詐欺を計画、従業員の石川清を共犯に引き込んだ。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
1984年5月5日、日高工業の宿舎で火災が発生し、宿舎内にいた従業員4人とその子供2人が焼死した。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
1人が2階から飛び降りて両足を骨折する重傷、消火作業にあたった消防士（52歳）も命を落とした。
出典 夕張・保険金殺人事件
宿舎では火災前にジンギスカン鍋を囲んだ飲み会が行なわれており、出火原因はその際使用した石油ストーブか電熱器の不始末によるものと見られた。
出典 夕張・保険金殺人事件
当初この火災は事故と判断され、日高夫妻は火災保険金及び死亡保険金として約1億3千万円を受け取った。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
・生き残った従業員からの告発
7月18日、火災で両足を骨折して入院中だった作業員・石川清（当時24歳）が突如失踪し、8月15日に青森市内から「火事のことで話がある。俺は追われている」と夕張署に通報。
出典 夕張・保険金殺人事件
れによると、宿舎火災は保険金目的の放火殺人だったという。「子ども2人が死んだことがずっと気にかかっていた」石川はそう漏らした。
出典 夕張・保険金殺人事件
石川の供述によると、4月下旬、夫妻は自宅で「分け前をやるから寮に火をつけろ。食堂から火が出るようにやれ」と指示。
出典 夕張・保険金殺人事件
石川は作業員たちに酒を振舞ったうえで、食堂にあった新聞紙にライターで火をつけた。
出典 夕張・保険金殺人事件
「報酬は500万やる」と言っていた日高夫婦だったが、石川に手渡したのは結局見舞金20万と退院時に70万だけだった。
出典 夕張・保険金殺人事件
●当然の死刑判決
1987年、一審の札幌地裁は日高夫妻に死刑を、石川に無期懲役の判決を下した。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
男女共犯の場合、女性は従犯と見なされ刑が軽くなることが多いが、信子はむしろ積極的だったとみなされ、死刑となった。
出典 ��022 夕張保険金殺人事件 日高安正・信子・石川清
日高夫妻は控訴するが、第4回控訴審の後の1988年10月、控訴を取り下げた。
出典 ��022 夕張保険金殺人事件 日高安正・信子・石川清
・恩赦を期待した夫婦
夫妻が控訴を取り下げたのは、昭和天皇の逝去による恩赦を狙ってのものだった。
出典 夕張・保険金殺人事件
昭和天皇の危篤が続いていた頃で、「天皇逝去の大喪の礼や新天皇の即位の礼に伴う恩赦の対象に死刑囚も含まれる」という噂があったのである。
出典 夕張・保険金殺人事件
刑が確定しないことには対象とならないため、夫妻は控訴を取り下げた。しかし、これは噂にしかすぎなかった。
出典 夕張・保険金殺人事件
天皇が逝去しても、恩赦は行われることがなかった。
出典 日高安政・信子｜犯罪・私的メモ
・裁判が再開されることはなく、そのまま死刑執行
1996年5月、日高は「恩赦があると勘違いして控訴を取り下げた」として、審理再開の申し立てを特別抗告した。しかし、札幌高裁は錯誤はないと審理再開を却下。
出典 夕張・保険金殺人事件
1997年8月1日、札幌刑務所で午前10時に日高が、12時には信子の死刑が執行された。
出典 夕張・保険金殺人事件
・関連まとめ
