戦後の貧困を利用した性欲まみれの"紳士"...小平義雄事件
1945年（昭和20年）から1946年（昭和21年）にかけて、東京都とその周辺で発生した連続強姦殺人事件。
●小平義雄事件
1945年（昭和20年）から1946年（昭和21年）にかけて、東京都とその周辺で発生した連続強姦殺人事件。
出典 小平事件 - Wikipedia
・殺人犯が連続殺人を自供
1946年8月、東京・芝区の増上寺境内で、女性の全裸死体が発見された。まもなく、この女性を呼び出していた小平義雄（当時42歳）が逮捕された。小平は前年から46年にかけて、何人もの女性を強姦・殺害していたことを自供した。
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◆1年弱で7人を殺害
・初めての殺人
1945年5月25日、小平は当時ボイラー技師として勤務していた海軍衣糧廠の女子寮に侵入し、21歳女子隊員を強姦。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
発覚を恐れた小平は被害者女性の首を絞めて殺害し、遺体を防空壕へ隠した。6月に遺体が発見され小平も事情聴取を受けるが、憲兵隊が捜査の際に別の男に嫌疑をかけた隙をみて退職し、寮を離れた。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
・第２の殺人
6月23日、東武鉄道新栃木駅で31歳の女性に「知り合いの農家へ行けば、いくらでも米が買える」と声をかけて山林に誘い出す。関係を迫りますが拒否されたため、3度強姦したのち絞殺。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
現金70円と腕時計を奪った。遺体は9月10日に発見された。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
・第３の殺人
7月12日、渋谷駅で食糧買出しのために切符を買おうとしていた22歳の女性に、「米を安く売ってくれる農家がある」と声をかけて山林に誘い出し、強姦。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
女性は小刀のようなもので応戦しようと試みるが、小平はどれを奪い取って馬乗りになり、女性を絞殺。現金40円入りの財布と腕時計を奪った。
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・第４の殺人
7月15日、イモの買出しに行くために池袋駅で並んでいた21歳の女性に、「初めてのところでは売ってもらえないでしょう。すぐ買える知り合いのところに連れて行ってあげます」と声をかけ、雑木林に連れ込んで強姦し、絞殺。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
現金60円と下足1足を奪う。11月5日に白骨化した被害者女性の遺体が見つかった。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
・第５の殺人
9月28日、東京駅で食糧買出しのために先輩女性と待ち合わせをしていた21歳の女性に、「清瀬方面に懇意な農家がある。イモは幾らでも買えるから一緒に行こう」と声をかけ、山村に連れ込んで強姦し、絞殺。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
現金300円と物々交換のために持ってきていた縮緬洋服を奪った。遺体は11月1日に発見された。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
・第６の殺人
12月29日、東武浅草雷門駅で同じ電車に乗り込んだ21歳の女性に、農家に案内すると声をかけ、栃木県の山村に連れ込んで強姦し、絞殺。現金130円入りの財布とリュックを奪った。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
・第７の殺人
1946年6月18日に「就職の世話をしてやる」と声をかけていた17歳女性と落ち合い、公園裏に連れ出して強姦し、殺害。8月17日に遺体が発見された。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
この事件で6月に声をかけられた被害者女性が小平と住所を交換し、8月4日に彼女の自宅を訪ねて母親が小平と会っていたため、8月6日に女性が小平と出かけたことが判明し、逮捕されるに至った。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
●小平義雄
小平は1903年（明治36年）に栃木県都賀郡日光町大字細尾で生まれた。宿屋を営む両親の6番目の子どもだった。
出典 小平義雄事件
少年時代、小平は人の話を聞き入れない短気な乱暴者で、弱いものいじめをし、足をばたばたさせなければ言葉が出てこないほどのひどい言語障害（ドモリ）があった。
出典 昭和史
卒業時の成績は２３人中２１番。しかし逮捕後に行なわれた知能テストでは、飽きっぽさと不注意から低い数値にはなったものの、中の下程度の知能で、計算能力も良好で知識も豊富だったという。
出典 昭和史
・横須賀海兵団時代
19歳の時、志願して横須賀海兵団に入隊。6年間の軍隊生活をおくった。練習艦でオーストラリア、ヨーロッパ、旅順、上海を巡り、この間に娼婦を買うことを覚え、セックスを初体験している。
出典 小平義雄事件
また集団強姦をやったことや、上官にカミソリで切りつけたことが2度ある。1924年5月、海軍三等機関兵曹として退役。その後小平は結婚、浮気相手である女性に子どもを産ませた。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
・殺人の前科
出典 www.aflo.com
1932年7月、妻が田植えの手伝いをするといって実家に帰り、そのまま帰って来なかった。浮気と隠し子の事実を知った妻の家族が、小平と離縁させようとしたためだった。それを知った小平は逆上し、妻の実家を襲撃。鉄棒で義父を殺害し、6人を負傷させた。
出典 小平事件｜本物の名探偵・平塚八兵衛が追った事件
この殺傷事件で小平は懲役15年の有罪判決を受けたが、二度の恩赦によって1940年（昭和15年）に仮出所した。
出典 小平事件 - Wikipedia
1944年に再婚。翌年には空襲が激しくなったので妻子を富山に疎開させ、自分は女子寮に泊まりこむようになった。
出典 昭和史
このあとの１年３ヶ月で、小平は少なくとも７人の女性を「米を安く売ってくれる農家を紹介する」「就職を斡旋してやる」などと言ってだまし、強姦して絞殺した。
出典 昭和史
●時代背景
当時は戦後の食糧難で、ラジオ放送のインタビューの内容が「何を食べているか」、子供たちへのインタビューで最近嬉しかったことを聞くと、「米やパンが配給された」と答えるほど食を求めていた時代であった。
出典 小平事件 - Wikipedia
そんな敗戦直後の東京において、小平は言葉巧みに若い女性に食糧の提供や就職口の斡旋を持ちかけた。
出典 小平事件 - Wikipedia
・性交する瞬間なら殺されてもいい
小平の反社会的で反倫理的な行為は、快楽を求めるための手段でしかなかった。当時の供述調書によると、犯行時の様子を小平は次のように語っている。
出典 戦中～戦後にかけて強姦殺人を繰り返した鬼畜・小平義雄という男【大量殺人事件の系譜】 | 日刊SPA! | ページ 2
「首を絞めて失神させ、女を横にして下を見ながら関係しようとする瞬間が、何ともいえないのです。殺されてもいいと思うときがあります。日本刀でうしろから首を斬られてもかまいません。そんなによいのです」
出典 戦中～戦後にかけて強姦殺人を繰り返した鬼畜・小平義雄という男【大量殺人事件の系譜】 | 日刊SPA! | ページ 2
・死刑判決
逮捕後の取り調べおよび公判での本人質問の際に「戦争の時にわしよりむごいことをした連中を大勢知っていますが、平和なときにわしだけひどいことをした者はいないと思います。全く人間のすることじゃありません」と答えた。
出典 小平事件 - Wikipedia
検察が立件したのは１０人であるが、３件については証拠不充分として見送られた。この他にも出征先の中国で５、６人殺害した事を供述している。
出典 昭和史
1948（昭和23）年11月に死刑が確定したあと、粗暴な態度が目立った小平であったが、面会に来た妻が自責の念を泣いて告白したことや、また教誨師との交流を通じて、次第に態度を改めていった。
出典 戦中～戦後にかけて強姦殺人を繰り返した鬼畜・小平義雄という男【大量殺人事件の系譜】 | 日刊SPA! | ページ 3
1949（昭和24）年10月、「こういう落ち着いた日に死ねるのは幸福だ」と静かに語り、死刑が執行された。
出典 小平事件 - Wikipedia
・関連まとめ
