報酬200万円･･ネットを通じて殺人依頼した長野ネット殺害依頼事件

まだまだインターネットの発展途上であった2005年、長野県松本市で、インターネットを通じて殺害を依頼し、報酬を受け取った事件。

2005年12月30日、長野県松本市で、男性が殺害された事件。
出典長野・ネット依頼殺人

逮捕されたのは、男性の長男の野本富貴、インターネットで殺害を依頼された片山直哉だった。
出典長野・ネット依頼殺人

息子の富貴は当時定職を持たず、パチンコなどで生計を立てていた。これまでに父親に暴力を振るい、警察が駆けつける騒ぎも数回起こしていた。
出典長野・ネット依頼殺人

富貴は父親と同居していたが、働かないことを男性から責められ、出て行くように言われたほか、老後のためにと孫に渡していた約900万円を返すよう言われた。
出典無期懲役判決リスト　2006年度

父親は遺産をは相続させない旨を伝え、富貴は、「財産を保全して自分たちのものにするには殺すしかない」と考えるようになった。
出典長野・ネット依頼殺人

殺害方法について、睡眠薬を使い練炭のガスで殺す、正当防衛に見せ掛ける、暴力団員に殺害を依頼する、といったものを考えたが、結局第三者に依頼することにした。
出典長野・ネット依頼殺人

富貴は、ネットの掲示板に「半殺し５０万円、殺したら１００万円、年内達成なら倍額」などと書き込んだ。
出典＜ネット殺害依頼＞５０歳長男と孫に懲役刑　長野地裁判決（毎日新聞）

この書き込みを見た片山が「一人で悩まずご相談を。何でもします！」と応じると、
出典＜ネット殺害依頼＞５０歳長男と孫に懲役刑　長野地裁判決（毎日新聞）

テレビ時代劇「必殺仕事人」の主人公の名を出し「中村主水（もんど）さんの職できますか」「狙い目は事故で痛めた首」などと父親の殺害を依頼。
出典＜ネット殺害依頼＞５０歳長男と孫に懲役刑　長野地裁判決（毎日新聞）

あらかじめ間取りがわかる図面を電子メールで送信、外出時に乗る軽自動車の有無で父親が家にいるかどうかの目印になることや、当日に富貴らほかの家族が外出し、父親１人が残っていることも片山に伝えた。
出典長野・ネット依頼殺人

殺害当日、富貴は元妻らと一緒に長野市まで外出してアリバイ工作していた。
出典長野・ネット依頼殺人

片山は、2005年12月30日午後1時頃、男性宅に侵入。ハンマーで頭などを殴り、父親を殺害。
出典無期懲役判決リスト　2006年度

「着手金」５０万円は駐車場に置いてやりとりした。事件後１５０万円を渡す際に、片山と富貴が初めて対面した。
出典＜ネット殺害依頼＞５０歳長男と孫に懲役刑　長野地裁判決（毎日新聞）

これに味をしめた片山はさらに、別の殺人依頼も４０万円で引き受け、実行しようとしたが、直前に逮捕され、殺人予備罪になった。
出典＜ネット殺害依頼＞５０歳長男と孫に懲役刑　長野地裁判決（毎日新聞）

2006年6月14日、長野地裁・土屋靖之裁判長は「匿名性のあるネットの特質を悪用し、模倣性が高い」と片山に無期懲役を言い渡す。
出典長野・ネット依頼殺人

また殺害を依頼した富貴に懲役20年を言い渡した。
出典長野・ネット依頼殺人

firk12